ハーディの小説
高校生の時、英語の授業で T.ハーディの短篇小説「羊飼の見た事件 What the Shepherd Saw」を読んだ記憶があるのですが、巨石遺跡が舞台だったというくらいで、話の筋はよく覚えていません。
大学生の時、同作者の『ダーバァヴィル家のテス』を読んだのですが、ロマン・ポランスキー監督の映画『テス』を観て原作を読む気になったのだと思っていましたが、調べてみると映画は 1980年公開なので、順序は逆で、小説を読んでいたので、映画を観に行ったようです。
1985年に買った『ハーディ短編集』(河野一郎訳 新潮文庫)が本箱にあったので、思いついて「羊飼の見た事件」を再読してみました。何ということもない 19世紀的なお話しでした。羊飼の少年が夜中、寝ぼけまなこで小屋の窓から外を覗いていると、月光に霜の結晶がきらめく草原のなか、巨石遺跡のそばで、殺人事件が起る。
10代だったわたしにとって、そのオドロオドロしい情況が強く印象に残ったのかもしれません。教科書に載っていた小説や副読本で読んだ本は、なんとなく記憶に残っているものです。
そういえば高校生の時に英語の授業で、J.B.プリーストリーの『Delight』というエッセイ集を読んだのですが、その中に、トルコ産の海泡石のパイプというのが出てきた記憶があって、40代のころ、同僚がトルコへ出張するというので、買ってきてもらいました。ただ、一回も使わないまま置いているうちに、禁煙してしまい、棚の隅で黴びたよう…