熊野の桜

 そろそろサクラの便りが聞かれるようです。今年は寒かったので、開花は遅いのかと思っていましたが、例年より早いそうです。



 先日、新聞に新種の野生のサクラが見つかったと載っていました。オオシマザクラ以来、約百年ぶりだそうで、熊野川の流域で以前から、早咲きの桜として知られていたそうです。日本には十種類ほどのサクラがあるとのことです。



 桜といえば吉野ですが、二十代のころから何回となく出かけましたが、一度も桜の季節には行ってません。人混みや渋滞を考えると、春は避けます。いま使っている飯茶碗は、何年かまえ、吉野山の売店で買った桜模様のものです。



 谷崎潤一郎に『吉野葛』という小説があり、吉野のすこし奥のあたりが舞台になっています。菜摘の里とか入の波といったあたりです。 わたしの父親は、父が早逝し、母が再婚していったため祖父母に育ててもらったそうで、こひしくば・・・の『吉野葛』が身にしみるのか、いいよと言っていた記憶があります。



 吉野から南へ、大峰を通って熊野へ、山また山が続きます。 新種の桜はクマノザクラと命名されたそうです。





この記事へのコメント

  • 家の前の桜が実は熊野桜だったという方が先週来られました。三重県の人でした。なにか枝ぶりがソメイヨシノとは違うとかでした。
    2018年03月19日 22:59
  • 爛漫亭

    なにごとも違いに気づくには、知識と経験が必要なんでしょうね。わたしなど何を見ても、花とか鳥とかというだけで、名も無い・・・で済ませてしまいます。
    2018年03月20日 14:12