横綱になれるか?

 大相撲の御嶽海が大関に昇進して、長野県出身の大関は江戸時代の雷電為右衛門(1767-1825)以来だと話題になっています。そんなに長野県には強い相撲取りが居なかったのかと驚きましたが、さて自分の出身地から大関・横綱が出たことがあるのかどうかは不明です。



 雷電は 16年間にわたって大関を保ち、生涯で 10回しか負けなかったという最強力士でしたが、なぜか横綱にはなっていません。



 宮本徳蔵『力士漂泊』(講談社文芸文庫)を見てみると、当時、相撲取りはほとんどが大名のお抱えで、谷風(横綱)は仙台・伊達、小野川(横綱)は久留米・有馬、横綱授与権を持つ吉田司家は熊本・細川の家臣で、それぞれ外様大名だったのに対し、雷電は譜代大名の松江・松平のお抱えだったので、外様諸藩が雷電の横綱昇進を妨害したと記しています。外様は老中にも若年寄にもなれない鬱屈を相撲で晴らしたとのことです。



 それでは長野県出身の有名なプロ野球選手はいるのかと考えてみても、思い浮かびません。隣県の山梨県なら堀内恒夫、愛知県ならイチロー、とすぐに思い当たります。



 誰かいるかと調べてみると、なつかしい名前がありました。松本深志高校出身の土屋正孝。わたしがプロ野球に興味を持ち始めた昭和 30年代の巨人の二塁手です。当時の巨人の内野陣は一塁・川上哲治、二塁・土屋正孝、三塁・長嶋茂雄、遊撃・広岡達朗でした。ただこの中では土屋は最も地味な選手だったかも知れません。



 雷電以来の大関・御嶽海は雷電を超えて横綱になれるか? 長野県人にとっては200年来の懸案かもしれません。



この記事へのコメント

  • middrinn

    長野出身の選手だと、元オリのエース金子千尋が「長野のイチロー(チヒロー)」
    と呼ばれたほどバッティングも良くて、対広島戦で前田健太から二塁打を(^o^)丿
    2022年02月01日 19:28
  • そらへい

    十回しか負けていないのに横綱になれないとは
    相撲も時代に左右されるのですね。
    土屋正孝と言う巨人の二塁手は覚えていませんね。
    もっとも私が野球を見始めたとき、川上はもう監督でした。
    2022年02月01日 19:53
  • 爛漫亭

    残念ながらmiddrinnさん、金子千尋は
    新潟生まれで、4歳で長野に転居しており
    新潟県出身とカウントされているようです。
    2022年02月01日 22:26
  • 爛漫亭

    そらへいさん、わたしの知っている「打撃の神様」
    川上哲治は引退直前で、テキサス・ヒットしか打てなく
    なっていました。川上が監督になると、土屋はトレードに
    だされました。
    2022年02月01日 22:38
  • tai-yama

    千葉だと初代小錦が横綱だったり。現役でも隆の勝もいますし。
    北京は長野県出身の小平さんや渡部兄弟に期待っ!
    2022年02月01日 23:32
  • 爛漫亭

    なんといってもtai-yamaさん、長野は
    ウィンター・スポーツですね。
    2022年02月02日 09:14