いつも何かおもしろい本はないか? と思っている人間にとって、週末に新聞の書評欄を眺めるのは楽しみのひとつです。最近は書店へ出かけて、棚を見て回るのが億劫になって、読む本がきれると、自宅の本棚から、未読本を探していましたが、それも種切れぎみです。
新聞で紹介される本も、最近は歳のせいか、興味がそそられるのが少なくなって、困ったものだと思っています。
先週の毎日新聞の書評欄「今週の本棚」では、星野太『食客論』(講談社)にちょっとこころが動きました。紹介者の永江朗は < 古今東西、傍らで食べる寄生者 > についての話と要約していました。わたしも日頃、食客のような存在と自覚していたので、興味をもよおしたのかも知れません。
今週は、『つげ義春 流れ雲旅』(朝日新聞出版)というのが紹介されていました。1969-70年に漫画家のつげ義春が編集者と写真家とともに出かけた旅の記録に、その後の旅を加えて復刊したのだそうです。東北、四国、九州などを巡っているようです。どうと言うこともない本なのでしょうが、つげ義春の絵や言葉が楽しめそうです。
あの時代、わたしも東北や九州へ流れ雲のような旅をしました。振り返れば、こどもから大人への脱皮の時期だったのでしょう。
また、村上春樹の新作『街とその不確かな壁』(新潮社)について、二人の評者が論評していました。わたしは 1980年代以後、彼の新刊が出るたびに読んでいましたが、ここ十年程は遠ざかってしまいました。自分にとって彼の小説が身に沁むものでは無くなった気がします。また読むことがあるのか不明です。
人によって本への興味はさまざまなので、新聞で紹介する本を選ぶのも大変でしょう。読者としては、好みの近い書評者が何人かいるもので、今週はどんな本を紹介してくれるのかと楽しみに待つことになります。
この記事へのコメント
そらへい
私もこのところ、読書は不調気味です。
読みたいと思う本がなかなか見つかりません。
何かしらで少しでも引っかかりを見つけると、
勇んで図書館へ行って借ります。
去年読んだのは、稲見一良、ハードボイルドで
こんな作家がいたのかと思いました。
ごく最近では、長嶋有「ジャージの二人」
その前につまらない本を読んでいたので、
まともな本に出会えた喜びがありました。
爛漫亭
いうのは初めて知りました。アンテナを張っているつもりでも、
ひっかからないものですね。
tai-yama
大概はずれ(笑)。
爛漫亭
ですが、そうなると、世界が狭くなりますね。
yoko-minato
私は最近は字が小さくて読むのが億劫に
なっている感じです。
確かに好む傾向は人により違いますよね。
爛漫亭
最近は家内に朗読してもらうことが多くなりました。