昨日は暖かだったので、午後は紀ノ川沿いを散歩しましたが、寒い日は室内で運動し、昼寝となります。このあいだからBGMにバッハをピアノで演奏したCDをかけています。何か音楽が流れているほうが眠りやすいようです。曲目はパルティータ、ゴルトベルク変奏曲などいろいろです。
18世紀のJ.S.バッハの時代にはピアノは無かったので、チェンバロなどのために作曲された曲ですが、ピアニストたちがピアノの表現力を駆使した演奏はそれぞれ聴きごたえがあります。ただ、BGMですので、曲名も確かめず、ピアノの音が耳を通り過ぎ、目が覚めるとCDが終わっているという繰り返しです。
CDは買った時に何回かは聴いていますが、日毎に違うピアニストで毎日聴いていると、それぞれのピアニストの音色などの差異が思った以上に際立って感じられます。アルゲリッチが弾くとバッハがモーツァルトのように聞こえ、ワイセンベルクではベートーヴェンのように響きます。ポゴレリチは異様に均一な音で、つい耳をそばだてますが、かといって心地よいというのとも違い、眠れませんでした。
そういえば、ポゴレリチが有名になったきっかけは、1980年のショパン・コンクールで、彼は本選に残れなかったのですが、これにアルゲリッチが「彼は天才です」と抗議して審査員を辞退したという事件でした。
表情豊かなリヒテルの「平均律クラヴィーア曲集」、アラウの最後の録音となった「パルティータ集」は時々聴くので耳に馴染んでいます。普段取り出さないCDを、こんな機会にまとめて聴いてみると、いろんな感想が頭に浮かびます。
楽章によっては、”わたしはこんなに速く弾けるのだぞ”とでもいうように、猛烈なスピードになります。もう少しゆっくりでもいいのにと思いますが、あの速度は、メトロノームの無かった時代にアレグロなどの言葉以外に具体的な速度指定があったのでしょうか? 素人には、よくそんなに速く正確に指が動かせるものだと感心するばかりですが、演奏家には、古来、そんな軽業師的な一面があるのかも知れません。映画「アマデウス」にはモーツァルトが曲芸のようにピアノを弾く場面がありました。
いろんなことを思いながら横になっていると、いつのまにか眠っているようです。CD一枚70分ほどの午後のひとときです。
ポゴレリチ イギリス組曲第2番&第3番
アルゲリッチ パルティータ第2番
この記事へのコメント
そらへい
というか、環境音楽のように本を読んだり、考え事をするときに
よく流していました。あまり情動的でなく水の流れを連想させる
旋律がお気に入りでした。
そう言えば、最近あまりかけていないです。レコードだと一回一回
盤面をひっくり返さないといけないので、煩わしかったのがCDになって少し回数が減って、それでもCD連奏を買って聞いたりしてましたね。今ならサブスクで途切れなく聞けそうです。
爛漫亭
今回は棚卸しのように、あまり聴いていないCDをBGMに
してみました。今まで気づかなかったことを、感じたりも
します。
yoko-minato
詳しくないので心地よい曲をかけて聴くだけです。
お二人のように音楽を楽しまれているのがとても
素敵ですね。
檸檬亭さんやそらへいさんのお二人です。
爛漫亭
人との出会いと同じように事故や事件のようなもの
でしょうね。音楽は心地よいのが一番です。
駄洒落好きな庭師
爛漫亭
はまるようなものですね。バッハは最初、「マタイ受難曲」で
びっくりしました。こんなのは一回聴けばいいと、その後は
遠ざけています。普段は「パルティータ」とか「フーガの技法」
などをBGMにしています。