運動のBGM

 自宅でトレーニングをしていて、何かBGMが有った方がいいかと、いくつかCDをかけてみましたが、歌謡曲はつい聴き入って、数えていた反復回数が分からなくなります。ジャズはテンポが速く、体がついていけません。病院で点滴をした時には、低音量でポップスが流れていて、聴くともなく目をつむっていると、時間の長さがまぎれました。  運動は単調な繰り返しなので、あまり複雑な音楽は合いません。試しにバッハの『無伴奏チェロ組曲』をかけると、案外、気持ちよく体操が出来ました。それではと思って、CD棚の隅にあったパーセルとかクープランといった古い時代の音楽をBGMにしてみると、気にならずに自主トレが続けられました。これらは買った時に1〜2回聴いてお蔵入りになっていたCDです。  パーセル(1659-1695・イギリス)はH.ヘッセの小説に出て来て、どんな曲だろうと興味を持ったもので、クープラン(1688-1733・フランス)はラヴェルに『クープランの墓』というピアノ組曲があって、クープランってどんな作曲家だろうと思って聴いてみたものです。  思うにバロック時代の音楽は舞曲の組曲というような曲が多く、穏やかでリズムが規則的で、体操のBGMに適しているのかも知れません。一曲一曲自体はあまり印象に残らず、わたしには曲の区別もつかない感じです。棚の隅で聴かれることなく立っていたCDが、こんなかたちで役に立つとは意外でした。 #「残った宿題」https://otomoji-14.seesaa.net/artic…

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月光の力

 暑い! 猛暑だ! といっているうちに、10月になりました。6日は中秋の名月です。ピアノの音を聴いていると、月光をあびているような気になるピアノ曲に「月光ソナタ」(ベートーヴェン)があります。「月光」というのは後の愛称で、ベートーヴェンは単に「幻想曲風ソナタ」と書いているだけです。  曲の始まりは淡々とした静謐な曲調ですが、楽章が進むにつれテンポが速くなり、なにか月に憑かれたような雰囲気になってきます。ベートーヴェンはこの曲をピアノの教え子であった伯爵令嬢に献呈しています。  月はラテン語で「luna」ですが、英語で lunatic となると、狂的な意味になります。日本でも古代には、月を忌む習俗があったとする説もあるようです。洋の東西を問わず、月光には精神を惑わす力があると感じられていたのでしょうか。    ゆくへなく月に心のすみすみて      果てはいかにかならむとすらむ (西行) #「秋の風」https://otomoji-14.seesaa.net/article/2021-08-23.html

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9月になれば

 猛暑の8月が終わり、9月になります。少しは過ごしやすくなるのでしょう。スタンダードに「September Song」という唄があります。♪ 5月から12月までは長いけれど、9月になると残り少なくなる ♪ そんなふうな歌詞です。確かに、9月になると、また1年が過ぎていくなぁ...という思いが湧いて来ます。クルト・ワイルがミュージカルのために作曲した曲ですが、映画『旅愁』(1950年)に使われているそうです。ナポリやカプリ島が舞台のアメリカの恋愛映画で、原題は「September Affair」です。  それで思い出したのですが、40年近くまえ、わたしも9月にナポリやカプリ島に行きました。上司のお供でローマへの出張でしたが、間の日に、早朝にローマをバスで出てナポリに行き、ポンペイやカプリ島を観光しました。  その日はナポリでサッカーの試合があり、混雑していました。ガイドさんがスリは皆んなサッカー場に行くので、今日は街中は安全だと言っていたのを覚えています。わたしは早朝からの長距離バスやカプリ島への船などで疲れたのか、体調不良で、昼食後、しばらく寝ていました...一種の”旅愁”だったのでしょう。  長旅の愁と同じように、9月は疲れの出やすい時期です。なんとか体調を整えて、乗りきりたいものです。 #「夏の終わり」https://otomoji-14.seesaa.net/article/2015-09-10.html

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