2500年前の人

 毎日新聞、9月20日の書評蘭にフランス文学者の鹿島茂さんが、『論語』(鶴ヶ谷真一訳・注 光文社古典新訳文庫)を取り上げ、<・・・特徴は深い学識に支えられたその明快さにある。(中略)名訳であるばかりか決定的な名著。>と書いていました。わたしは昔、吉川幸次郎訳で読んだ記憶があるのですが、”決定的な名著”とまで言われると読んでみたくなり、家内にU-NEXTで買ってもらいました。  家内はU-NEXTで映画や雑誌などを見ているようですが、U-NEXTはスマホやタブレットでしか利用できず、PCでは電子書籍が読めません。『論語』も家内に朗読してもらうことになりますが、漢文は耳で聞いていても、どんな漢字か思い浮かばず、いちいち訊き返しているとなかなか進みません。  『論語』は孔子の没後に、弟子達が孔子の言行を記録したものですが、孔子は2500年も前の人で、当時、日本は縄文時代から弥生時代に移行しつつあった頃です。そして『論語』は奈良時代始めにはもう日本に伝来していたようです。  <子がいわれた、「口が達者で人あたりがよい。こういう手合いが人格者であることはまれだ」。   🔻子日わく、巧言令色(こうげんれいしょく)、鮮(すく)なし仁。     子日、巧言令色、鮮矣仁(1)     1 原文が通常の語順「仁鮮矣」ではなく「鮮矣仁」と語順を入れかえてあるのは、慨嘆の思いを強めるため。   <子がいわれた、「戦車千台を保有する国を導くには、政策に慎重を期し、嘘をつかず、無駄をはぶいて租税…

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運動のBGM

 自宅でトレーニングをしていて、何かBGMが有った方がいいかと、いくつかCDをかけてみましたが、歌謡曲はつい聴き入って、数えていた反復回数が分からなくなります。ジャズはテンポが速く、体がついていけません。病院で点滴をした時には、低音量でポップスが流れていて、聴くともなく目をつむっていると、時間の長さがまぎれました。  運動は単調な繰り返しなので、あまり複雑な音楽は合いません。試しにバッハの『無伴奏チェロ組曲』をかけると、案外、気持ちよく体操が出来ました。それではと思って、CD棚の隅にあったパーセルとかクープランといった古い時代の音楽をBGMにしてみると、気にならずに自主トレが続けられました。これらは買った時に1〜2回聴いてお蔵入りになっていたCDです。  パーセル(1659-1695・イギリス)はH.ヘッセの小説に出て来て、どんな曲だろうと興味を持ったもので、クープラン(1688-1733・フランス)はラヴェルに『クープランの墓』というピアノ組曲があって、クープランってどんな作曲家だろうと思って聴いてみたものです。  思うにバロック時代の音楽は舞曲の組曲というような曲が多く、穏やかでリズムが規則的で、体操のBGMに適しているのかも知れません。一曲一曲自体はあまり印象に残らず、わたしには曲の区別もつかない感じです。棚の隅で聴かれることなく立っていたCDが、こんなかたちで役に立つとは意外でした。 #「残った宿題」https://otomoji-14.seesaa.net/artic…

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家のこと

 我が家は築後42年になります。20年前にリフォームしたのですが、そろそろ、あちこちに不具合が生じてきました。友人の息子さんが建築会社に勤めているので、修理をお願いしました。息子さんと会うのは、彼が小学生のとき以来です。なんとなく面影がありますが、もう3児の父親です。この家の建築中に、見学について来た彼が、2階から階段を滑り落ちてビックリしたのを覚えています。42年経って、彼に修理を依頼するようになるとは感慨深いです。  当時、私の母親が入院中で、外泊して来るのにいいように、建築を急いだのですが、間に合いませんでした。母親用に作った和室が現在、わたしの居室になっているのも不思議な感じです。40年はそんな時間の長さなのでしょう。  わたしの淡路島の実家は、わたしが5歳ごろに出来たもので、引越しの日、夕方になって、「もう家に帰ろう」と母親に言うと、「今日からここに住むのよ・・」と言われたのが記憶に残っています。母親は40歳くらいだったのでしょう。70年以上前のことです。  子供達はそれぞれ18歳で家を出、現在は勤務地の近くに住み、子育て中です。どうも一代ごとに住む家が違ってくるようです。  家も身体も何十年も使っていると、あちらこちらと不具合が出て来ます。修繕したり、補強したりしながら使い続けるしかないでしょう。もう子供達の世代が働き盛りになっていて、親を気遣う口調が感じられるのには、苦笑するほかありません。 #「子供という種族」https://otomoji-14.sees…

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